ニュース

第10回みらいフォーラム開催

2008.04.09

今回は、弊社運営ファンドが投資を行っておりました第一化成株式会社の業務提携先であるマレーシアのテクスケムグループ創設者 小西史彦氏に、「アジアのビジネスと華僑」というテーマでお話しいただきました。

小西氏は1968年総理府主催の国際交流事業「青年の船」に乗船、その際訪れたマレーシアに『恋』をし、20代で単身マレーシアに渡り、起業。1973年に化学品専門商社としてマレーシア・ペナン市にTexchem社を設立後、現在殺虫剤、産業資材、包装資材、食品の4事業を柱とし、約30のグループ会社からなるコングロマリットを築き上げました。現地で一(いち)からビジネスを始め、これまで産業、雇用などマレーシアに大きく貢献したというその功績は高く評価されて、昨年マレーシア連邦政府より故松下幸之助氏も受けた、民間人としては最高位のP.S.M.(Tan Sri爵位)を叙勲されました。アジアで成功された日本人として、またコングロマリットを率いる経営者としてのお話が聞ける貴重な機会ということで、投資家や投資先関係者など多くの方々にご参加頂きました。

お話の内容は、単身でマレーシアに渡ってから現在に至るまでの体験談と、その過程における華僑とのかかわりが中心と なりました。「マレーシアが好きで、何とかマレーシアで暮らしていけないか。家族と暮らしていけさえすればそれで充分。」とささやかな気持ち(?)から始めたTexchem社も現在の大企業になるまでには、 オイルショックやその後の大不況、円高など何度も厳しい状況に襲われたようです。その時々に小西氏が実行された迅速な判断や決断、適確な見通し、日本人であることの強みや華僑とのネットワークを活かした対応ぶりをご披露頂き、 大変勉強になりました。
また、「コアビジネスにしっかりフォーカスして、そこに経営資源を投入すべき」「何でも事業を拡大すれば良いというものでなく、 安定した収益の伸びが期待出来ないものには絶対に手を出さない」など会社経営における堅実な姿勢は、企業が発展していく上で極めて重要なことであると再認識いたしました。
今回の一貫したテーマとして「アジアのビジネスを考える上で、華僑を抜きにしては考えられない」ということを挙げていらっしゃいましたが、 ビジネス・パートナーとして、顧客として、また会社の従業員として、華僑とのかかわりは不可欠であり、彼らの教育水準の高さ、真面目さ、 ガッツ、また何十年という長いスパンでお付き合いが出来る彼らとのネットワークは、アジアでビジネスを展開する上で非常に大きな意味を持つことがわかりました。
ユーモアを交えた興味深いお話をお伺いしている間に講演時間はあっという間に過ぎてしまい、質疑応答やフォーラム後の歓談においても、引き続き小西氏と参加者との間で、 華僑やアジアビジネス、経営者としての見方など活発な意見交換がなされました。
日本みらいキャピタルの投資先においても、生産基地、消費基地、流通基地としてのアジア地域の重要性はますます高まってきており、弊社としてもその強みであるアジアネットワークをますます拡充させていきたいと考えております。

今後も投資家、弊社VEP他関係者の皆様にご関心をお寄せいただける旬なテーマをご用意してフォーラムを開催させていただきますのでお楽しみに。

一覧に戻る