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第11回みらいフォーラム開催

2008.09.05

今回は、アーサー・D・リトル・ジャパン のシニアマネージャー川口盛之助氏 に「日本のものづくり推進力」というテーマでお話しいただきました。

川口氏は日立製作所等を経て、現在アーサー・D・リトル・ジャパンで、主に製造業の研究開発戦略や商品開発戦略などのコンサルティングを行っています。製造業の最新動向に精通していると同時に、漫画やアニメ、萌え系、ギャル文化……などにも詳しく、日本ポップカルチャー委員会の委員もお務めです。「世界に誇るオタク文化」と「国の基幹産業である製造業」の橋かけ役となり、両者の力で日本を元気にすることをライフワークとし精力的に活動されており、著書の「オタクで女の子な国のモノづくり」は、2008年日経BP・BizTech図書賞を受賞しました。

今回のご講演は、「最近の若者文化と伝統的な価値観との共通性から、日本人に普遍的な道具観をあぶり出し、今後の日本企業のモノやコト作りの方向性を提示する」という内容でしたが、実に斬新でおもしろく、まさに目からウロコと感じました。 若者文化を愛する「オタク応援団長」を自任する川口氏は、日本のユニークな特質として独自の視点で「女の子っぽさ」と「子供っぽさ」を語っています。例えば、蓋の自動開閉から擬音発生・洗浄まで日本のいたれりつくせりのトイレの機能、ついつい潰してみたくなる気泡緩衝材「プチプチ」の病みつきになる指の動作、防衛白書までマンガのマスコットが存在するキャラクター文化など、様々な例は「なるほど!」と納得するとともに、そのすばらしい視点のもと多岐に亘った切り口に、聞き手も引き込まれていきました。そして、普段はあまり意識しませんが、日本のものづくり文化は女性的な細やかさや恥じらいの心情や、子供のような好奇心やファンタジー的な世界観が、下地となって出来上がったモノだと気づかされました。

弊社投資先においても、精密金型、アルミ鋳造等、「日本の技術」を武器とする企業があり、質疑応答や講演終了後の歓談の時間には、投資先役員の方々、VEPの皆様と活発な意見交換の場が持たれました。

ご多忙のところご講演いただきました川口氏、ならびにご来場いただきました皆様に、厚く御礼申し上げます。次回も皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

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